前回の記事で
「ヒゲの先端で売買することは現実的ではない」
と書きました。
これについては
「なるべく高く売ったり、安く買ったりすることを
狙って、いったい何が悪いのか?」
と言う意見もあろうかと思います。
ですが、先端での売買は2つの理由で
現実的ではありません。
一つ目は、「心理的理由」です。
買っていた株を売って利益を確定させる瞬間を
想定してみてください。
天井を暗示するとされる上ヒゲの天辺で売るためには、
①相場に張り付いて
②未完成ながらバッチリ陽線が見えているときに
売らなければなりません。
人は誰しも欲深い生き物です。
陽線が見えているときは、
「もっと伸びるかな?」と思いがちです。
しかもこの陽線の高値は、確定したわけでもないのです。
そういう状況下で、欲を抑え込んで売ってしまうことは
簡単ではありません。
そして、二つ目は「出来高的理由」です。
ごく小規模の資金で
少ない株数であれば、ヒゲの先端であっても
売買することができるでしょう。
しかし、ある程度の株数を売買したら
それだけで価格が変動してしまいます。
これは、価格が決まる/動く仕組みで
説明したとおりです。
運よくヒゲの先端で
売買できることがあるかもしれませんが、
もしかしたら、上ヒゲを付けるのは明日かもしれません。
運頼みでしかないようなものは
投資とは言えません。ギャンブルです。
そして、投資として取引する以上、
小さい資金のときだけ可能やり方では
スケールメリットを利かせられません。
欲を抑えた理想的な売買を志向するのであれば、
ヒゲの先端での売買は考えるだけ無駄なのです。