相場書の古典ともいえる
「酒田罫線法」
において、買い方は次の通りです。
(建玉がなければ)
上昇相場の陰線新値1日目を見て
全体の1/10を買い、
陰線新値2日目を見て
全体の3/10を買い増す。
これで全体の4/10を買ったことになります。
そして、陰線新値3日目を見て
さらに全体の5/10を買い増す。
これで全体の9/10を買ったことになります。
上昇へ転じたら(陽線新値1日目)、
全体の1/10を買い増し(順張り)、
予定数量すべて、10/10を買う。
最後の追撃以外は、
逆張り・分割売買ですね。
※「陰線新値」等の相場用語について、
詳細は「定本 酒田罫線法」著者:林輝太郎
に解説されています。
ここでは、下がってきて買い始め、
さらに下がったらどんどん買っていく、
と言う買い方をしていると分かれば十分です。
酒田罫線法では、
上昇相場の押し目は
陰線新値3本までと想定しています。
上昇相場における陰線新値の本数を
数えるという統計を取った時、
押し目が陰線新値3本以内で終わる確率は
驚きの91%もあります。
一方で、陰線新値が4本以上付けた場合には
この買い方は失敗となってしまいます。
失敗となった時の対処法や考え方については
酒田罫線法で特段の記述はありませんが、
一つの参考となりますね。
もう一つの参考として、
古い相場師が相場を教えるときに
弟子にやらせていたやり方があげられます。
「下げの2日目から買い下がり、
3日目も下げたらさらに買い、
戻ったら一旦売り。」
と言うものです。
押し目を拾うときは
この相場格言のように
ある種の適当さをもって
逆張り・分割売買で買っていく
と言うわけです。
こちらも、下げは3日ぐらいだろうという
想定の下での買い方ですね。
往来相場とは異なり、
目安となる下限の価格が見えない
上昇相場の「押し目」。
だからこそ、往来相場にはない
難しさがあります。
ですが買い方そのものは
逆張り・分割売買です。
考え方についても
往来相場の下限と同じように
考えてみてはどうでしょうか?
一つの例を挙げましょう。
押し目の形として
「二段整理」と言う形があります。
二段整理とは、
この図のように
2回安値を更新していく
価格推移のことです。
この2回目の安値のときは、
1回目の安めをダマしたともいえますし、
買ってた人がウンザリして
売るポイントでもあります。
往来相場の下限と同じく、
「高値で買ってしまった人や
高値を見たけど売りそびれた人が、
もううんざりして損切りや
しぶしぶ利益確定で売り注文をする・・・」
そういうポイントは買い時と言えるでしょう。