世の相場書と比較して
ずいぶんと遅くなってしまいましたが、
ようやく実際の株価チャートの登場です。
これは日経平均株価の日足ローソク足チャート、
2015年1月5日~11月25日のものです。
縦軸が株価、横軸が経過時間となります。
全体をふんわりと見たとき、
株価が上昇していく局面と、
株価があまり動かない局面と、
株価が下落していく局面の
3種類にわけることができると思います。
株価が上昇する相場のことを、上昇相場
株価が一定の値幅にとどまる相場のことを、往来相場
株価が下落する相場のことを、下落相場
と言います。
チャートで上昇相場を見たとき、
安いところで買って、高いところで売れば
利益が出ると思うでしょう。
往来相場を見たとき、
値幅の安いところで買って、
高いところで売る。または、
高いところで売って(空売り、信用取引の売り)、
安いところで買い戻せば、
利益が出ると思うでしょう。
下落相場を見たとき、
高いところで売って、安いところで買い戻せば
利益が出ると思うでしょう。
もし、空売りや信用取引が怖ければ
買ってから売る場面以外は、手を出さずにじっとしている…
というのも、一つの選択肢です。
チャートを後から眺めれば、
どの局面もよくわかります。
ですが、”後から”ではなく
”現実に”見た場合、
正確にわかるでしょうか?
試しに、上昇局面でその途中の
2015年4月30日夜に見るチャートを見てみましょう。
4日ほど前に高値を付けて、
その後大きく下げています。
この後も伸びていくと思えますか?
この後はもみ合いになる、または
下落していく、と思ってしまいませんか?
同じく上昇局面で、この上昇局面が終わるときの
6月24日のチャートはどうでしょうか。
この後も伸びていくように見えませんか?
下落局面でも同じです。
8月28日に見るチャートを見てみましょう。
ここで、下落は止まったと思いませんか?
この後はもみ合いになったり、
反転して上昇していく、と思ってしまいませんか?
9月29日のチャートはどうでしょうか?
ここで下げ止まった、底になったと思えますか?
念のため、もみ合いの局面も
見ることにしましょう。
7月8日はどう見えますか?
もみ合いが終わって、大きく下落していく
ように見えませんか?
後講釈でチャートを説明するのは簡単ですし、
絶対に間違えることはありません。
ですが、現実にチャートを見たとき、
その先の状況までピタリと当てることは困難です。
目先の値動きに翻弄されてしまいやすいことが
良くわかります。
確かに目先の動きが、
大きな動きの端緒になるわけですが、
大きな動きの”この先”を見通すためには
様々な視点でチャートを観測しなければなりません。
だからこそ、
「ローソク足でこの形が出たら売り!(または買い!)」
のような手法では、負けてしまうのです。
値動きの特徴を理解せずに、
相場を戦ったのではほぼ確実に負けます。
じゃあ、一般的によく使われているような
インジケータ・オシレータと呼ばれる
数式を活用した方法なら勝てるのか?
という疑問が湧くかと思います。
次回は、この点について説明したいと思います。