でも、オクラホマ州まで取りに来てね!
という状況が、今朝発生しました。
(これだけでは何を言っているか意味不明の状況ですね)
ニューヨークで取引されている原油先物5月限の価格が
マイナス40ドル
という値段を付けました。
タダになる「0」を余裕でぶっちぎっての史上最安値です。
通常、何か商品を買う場合はお金(その時の価格)を払って、商品を受け取ります。
だからどれだけ価格が下がっても、「0」だろうという認識です。
しかし今朝の原油先物価格(5月限)は、一時マイナス40.32ドルとなりました。
このことが意味するのは、原油を買うのにお金は必要ないどころか、
原油とセットで40ドルもらえちゃうということです。
そんなありえないような事態になってしまいました。
こんな価格がついた原因は、先物を現物引き渡しで決済するオクラホマ州で、
原油貯蔵のタンクの空きがなくなってしまったためです。
これは、新型コロナによる経済活動縮小に伴って、
原油の需要が減少したことが発端となっています。
相場では、過去の統計や常識を余裕でぶっちぎってくるほどの
「値動き」がしばしば観測されます。
「値動き」の統計で仕掛ける無限ナンピンやマーチンゲール手法は、
こういう統計の異常値1回でトレード資金をすべて溶かしてくれます。
この「値動き」の統計というのは本当に厄介です。
なまじっか「過去○年分の統計」とみれば、
信頼性が高いと感じてしまいがちですから。
1か月前を思い出せば、3月半ばまでのNYダウの暴落は、
3回もサーキットブレーカーが作動し、
過去最大の下落幅を更新し続けました。
相場ではありえないことなど、ないのです。
統計はあくまでも統計です。
異常値が出ない根拠にはなりえないのです。
参考にするのには役に立ちますが、統計を過信しないようにしましょう。