トレードにおいて、参加者の誰もが利益を上げたいと考えている。
そのため、様々な相場観測法が考え出されて、世の中に出ています。
例えば、移動平均線の交差を見る方法。
例えば、インジケータやオシレータを使う方法。
相場の流れをとらえようと、
それらの方法が考え出されてはいますが、
残念ながら100発100中というわけにはいきません。
しかし、世にある投資系情報商材の中で、
「勝率100%!」
と書かれているものが散見されます。
代表的な手法は「マーチンゲール法」です。
有名な方法ですので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
前回のブログでマーチンゲール法の話題を書きましたので、
今回のブログネタとして挙げてみました。
やり方としては簡単で、カジノのルーレットを例にとってみましょう。
ルーレットで”常に”黒に賭け続けます。最初はチップ1枚。
もし赤が出てしまったら、その勝負は負けてしまいますが、
次の勝負でもまた黒に賭けます。
次の賭けるチップは2枚。
ここで勝てば、最初の負け分(-1)と今回の勝ち分(+2)を合わせて、
トータル+1の勝ちになります。
逆にまた負けてしまった場合…、次の勝負でもまた黒に賭けます。
次の賭けるチップは4枚。
ここで勝てば、最初の負け分(-1)と2回目の負け分(-2)と今回の勝ち分(+4)を合わせて、
トータル+1の勝ちになります。
逆にまた負けてしまった場合…、次の勝負でもまた黒に賭けます。
次の賭けるチップは8枚。
このようにして、賭ける枚数を負けるたびに倍々にしていく手法です。
どこかで勝てば、トータルで勝つことができます。
実際のカジノでは賭ける枚数の上限が存在するので、
この手法を取り続けることはできませんが…。
相場においては、このマーチンゲール法を相場に応用して、
価格が上がるたびに「空売り」を仕掛ける、仕掛け続ける手法があったりします。
確かに、トレンド相場でも必ず一時的な逆行は生まれます。
そこで利益確定できれば、必ず勝つことができるでしょう。
しかし、これを実行するためには大変な資金量が求められます。
日経先物ミニで具体的な金額を考えてみましょう。
先物ミニ1枚に必要な証拠金は、約12万円です。(本稿執筆時点)
最初は1枚の空売りですので、必要な証拠金は12万円。
2回目は2枚の空売りとなるので、必要な証拠金は24万円。
3回目は4枚の空売りとなるので、必要な証拠金は48万円。
4回目は8枚の空売りとなるので、必要な証拠金は96万円。
5回目は16枚の空売りとなるので、必要な証拠金は192万円。
6回目は32枚の空売りとなるので、必要な証拠金は384万円。
このように、どんどん必要な証拠金が膨れ上がります。
必要なものは証拠金だけではありません。
途中に負けた分に関して…
含み損に耐えるだけの資金も必要なのです。
そして、その上昇トレンドはいつ終わるのかわかりません。
トランプ当選のあとのように押し目もつけずに急騰してしまうかもしれません。
そうなった時にどうなるでしょう?
含み損に耐えきれなくなって追証となり、口座ごと飛ばされるかもしれません。
実際、私もトレード初心者の頃にこのマーチンゲール法を使った
自動売買システムを運用して手痛い目にあいました。
何か月も利益を上げていたのですが、
最後の最後で相場が一方的に動いてしまい、
資金的に続けられなくなりました。
このマーチンゲール法を使った自動売買システムは、
勝率100%と謳っておきながら高確率で破産する手法ですので、
こういったものに手を出さないように気を付けてください。
見分け方は簡単です。FXの自動売買だと、大体下記が当てはまります。
・勝率100%と謳ってる。
(まれに勝率98.8%と書いてある場合も)
・過去検証(バックテスト)における資産曲線が、凹みのない右肩上がりの曲線。
・ポジション数が多い(32とか64)
・ドローダウン(含み損)の割合が高い(50%とか)
もちろんマーチンゲール法は破産する手法としても有名ですので、
近頃では
「AIを利用した!」
とか
「ビックデータから解析した!」
とか
「プロトレーダーのロットワークを再現!」
などとアオリ文句とともに、売っているケースも。
トレード初心者ほど、損失を出すことが怖いので高勝率を求めがちです。
しかし、損失を出さないトレード法は存在しません。
それを求めてしまうと、落とし穴にはまってしまいます。
大切な資金を溶かさないためにも、
まずはトレードの特徴やトレーダーのマインドを学んでみてはいかがでしょうか?