あまり聞きなじみがないかもしれませんが、
相場の世界では
日常的に行われている売買の一種です。
通常、相場で利益を上げる言えば
価格変動によるキャピタルゲインを
考えると思います。
そのため、値動きがなければ
利益が出ませんし、
価格が動く方向に対応した
取引をする必要があります。
しかし、裁定取引と言うのは
「値動き」ではなく「価格差」から
利益を上げようというものです。
これについて、簡単な例をあげて
説明したいと思います。
株式はどの証券会社で取引しても
手数料の差こそあれ
基本的には同じ価格で取引できます。
一方で、ものによっては
取引するところ次第で
価格が違うことがあります。
例えば、あるものが
A取引所では100円で取引されている。
B取引所では110円で取引されている。
同じものであれば、
どのような値動きになろうとも
基本的には同じ価格に
いずれ収束していきます。
A取引所とB取引所で同じ価格になるのを
待つと言うわけです。
そのため、収束を見越して
A取引所で買い
B取引所で空売り
をします。
何らかの理由で
価格が上がっても下がっても、
同じ価格となってくれさえすれば
利益となります。
価格が600円まで上昇した場合、
A取引所では、
600-100=500・・・500円の利益
B取引所では
110-600=-490・・・490円の損失
となると、トータルでは10円の利益ですね。
一方で、価格が10円まで下落した場合、
A取引所では
10-100=-90・・・90円の損失
B取引所では
110-10=100・・・100円の利益
となり、やはりトータルで10円の利益です。
このように「価格差」から
利益を上げるやり方を
裁定取引と呼びます。
やっていることは
「通常の商売と同じ」
と言う言い方もできます。
安く売っているところで仕入れて
高く売れるところで売りさばく。
なるほど、同じことです。
以上のざっくりとした説明だけだと
「確実に利益が出るなら、俺もやるぞ!」
と思うかもしれません。
ですが、コストも考えておく
必要があるのです。
そのあたりのことについては
次回、説明したいと思います。