昔も今も、金融市場は
大規模な資金力を持つ機関投資家たちが
しのぎを削っています。
近年ではAIやアルゴリズムを利用することで
市場全体を監視して
人間には不可能なスピードで
取引しています。
また、取引量が多いことから
機関投資家は証券会社から恩恵を受けています。
機関投資家の取引手数料は
一般投資家のそれよりもはるかに安く設定されています。
ほかにも、機関投資家は
その資金力を背景に、
一時的に価格を操作することで
大量の注文がある価格帯に価格を動かし、
自らの注文を有利にさばいています。
一般投資家は機関投資家と比べた時、
・市場全体を監視することは難しく
・注文スピードは遅く、
・取引手数料は割高で
・価格を動かすことは難しい
という弱点を持っているともいえます。
これだけの弱点を抱えた状態で
割高な手数料以上の利益を出すのは
相当なハンデともいえるでしょう。
市場で取引が行われている時間帯…
つまり”ザラバ”では、
機関投資家がAIやアルゴを稼働させている
こともあり、この不利を背負ってしまいがちです。
だからと言って、この不利を何とか克服するのは
ちょっと難しいと思います。
学校や入試における試験勉強では、
苦手科目を克服することが
総得点をもっとも稼ぎやすい方法で、
労力対効果が高いとも言えます。
だから相場においても
不利を克服しようと考えてしまいがちです。
しかし、相場は試験ではありません。
相場ではわざわざ苦手な分野や科目を
やる必要はないのです。
では一方で、一般投資家と機関投資家が
対等になるようなタイミングはあるのでしょうか?
資金量に関しては、逆立ちしても
かないっこありませんので
取引手数料の優遇措置に関しては
対等にはなりません。
せいぜい割安なネット証券を利用するぐらいでしょう。
ですが、注文スピードが
対等となるタイミングは存在します。
それは、「寄り付き・成行注文」です。
市場が開いた瞬間の注文に関して言えば、
誰もが対等と言ってよいでしょう。
また、一般投資家は資金量が限られていますので
自分の得意な銘柄のみに絞っても問題ありません。
市場全体を監視する必要はないのです。
利益率や目先の利益を求めるがあまり、
様々な銘柄をチェックしたり、
ザラバで相場に張り付いて売買を
繰り返す人がいます。
世の中の人は、これが「相場師」のイメージなのかもしれません。
大切なことは、世の中の人に相場師として
認めてもらうことではありません。
ちゃんと利益を上げて生き残ることです。
一時的に莫大な利益を手にしたものの、
その後は鳴かず飛ばずで資金を目減りさせ、
最終的に破産に追い込まれた人がいるのが相場です。
そうならないために、
不利を背負いにくい戦い方を
知っておくことが重要なのです。